静かな作業に集中する豊かさを「しろのえほん」
もっちゅりんって、食べたくなるだけじゃなく、思わず声に出したくなっちゃうほど可愛い言葉だと思うくるみです。こんにちは。

小さい頃、私にとってピンクは特別な色でした。
兄とスーパー戦隊を見ながら、5人の中で唯一の女性ヒーローであるピンクを真似して、「ピンチュー!!」と変身ポーズをきめ、戦いごっこをしていました。
今では水色や紫も女子に人気の色ですが、当時は、女子のグッズの大半はピンクが占めていたような気がします。
ピンクが好きなので、当然「ピンクの服を着たい!」と言い出すわけですが、母は、「あなたにはピンクは似合わないから。こっちの方が似合うよ」と黒っぽい服を差し出してきました。
今なら、「魔女の宅急便のキキと一緒!黒は女を美しく見せるんだから!」と楽しめたかもしれないのですが、当時は納得できず、不服でした。いまだにこんなに鮮明に覚えているということは、根に持っているのでしょう笑。
でも、冷静に考えてみると、色黒で、パーツの小さい弥生顔の私に、薄いピンクは確かに似合いそうにはありません。私の欲しがったピンクは、本当に私には似合わなかったのでしょう。
ただ、母の発言は少し間違っていたと思います。
アンミカさんも「白って200色あんねん」と言っていますよね。
色鉛筆のピンクのようなピンク、薄いピンク、くすんだピンク、鮮やかなピンク、紫っぽいピンク、オレンジっぽいピンク…
ピンクのカテゴリーの中には無限の色彩が広がっているのです。数あるピンクの中からうまく選べば、似合うピンクもあるはずなのです。
「あなたにはピンクは似合わない」ではなく、正しくは「それは、あなたに似合うピンクではない。」です。
そんな色彩の奥深さに触れることができる、今日の絵本はこちら。白だけで描かれた絵本、その名も「しろのえほん」です。
白い紙をじっと見る時間
このしろなあに?よくみてよくみて。一見何も描かれていない白いページに、よく見てみると羊、綿毛、雪の結晶など、白いものたちを集めた美しい世界が広がっています。紙の手触りや静かにじっと見る体験を楽しむことができる絵本です。
少し遠くから見ると本当に真っ白に見える表紙をめくると裏表紙に
この しろ なあに?
よくみて よくみて
と書いてあり、少し生成りのような白の地に真っ白の線が竹細工のカゴの網目のような模様が描かれていることに気付きます。そこで、表紙に戻ってよく見てみると、白いウサギや雪の結晶が浮かび上がってきます。タンポポの綿毛の線が、とても細く、顕微鏡を覗いているような感覚になりました。
文字は黒字で書かれているのですが、見開きにほんの少し。
ふわり ふわり
などと、オノマトペだけのページもあり、とにもかくにも白を楽しむ絵本です。
和紙に入っている柄を透かて見るような、微かな色の差を掬い取り、眺めるような静かな作業です。
視覚的に刺激の強いものを見ることが多い日常の中で、こんな風にアナログで手触りのあるのものの、微小な色の差異に集中する作業をしていると、心や頭が豊かな余白で満たされていくのがわかります。
みなさまもぜひ!
この絵本には200色もないけど、白の違いに注目する目が育った気がする!

