敬老の日におすすめの絵本「おばあちゃんのあかいマント」
今手紙を書いて送っても敬老の日には届かないピンチをどう切り抜けるか思案中のくるみです。こんにちは。

(リライト記事・2019年前ブログより)
おじいちゃんおばあちゃんの家、といって思い浮かべるのはどんな場所でしょうか?
私自身は小さい頃から東京に住んでいて、大分に住んでいる祖母の家に行っていた経験から、おじいちゃんおばあちゃんというと、ザ・日本家屋で昔ながらの暮らしをしていて、遊びに行くと普段はなかなかできない海遊びや山遊びができる、という印象が強いです。
実際、絵本でもそういうおじいちゃんおばあちゃん像のお話は多いように思います。
けれど、時代は令和。
都会で現代的な暮らしをしているようなおじいちゃんおばあちゃんも多いのではないでしょうか。
子供たちの祖父母にあたる私の両親も義両親も、都会とは言えませんが、市街地に住んでいて、虫取りや採れたての野菜などとは縁遠いです。
子育ては自然豊かな郊外で、という家庭もあるでしょうし、孫の方が田舎に住んでいることもあるかもしれません。
今日の絵本は、大都会に住んでいるおばあちゃんが出てくるお話です。
勇気をくれるおばあちゃん
「おばあちゃん、ぼく、とまりにきたよ!」と大きな街に引っ越したおばあちゃんに会いに来たぼくですが、人がいっぱいいて、大きな音がして、怖い物でいっぱいの街が好きになれず、眠れません。そんなぼくに、おばあちゃんは素敵な贈り物をしてくれます。すると、街が昨日とは違って見えて…。ぼくと一緒になり、なんだか勇気が湧いてくる絵本です。
初めての街で目に映ったものは、満員電車、騒音、壁の落書き。全てが怖いものばかり。
おばあちゃんはどうしてこんな所に住んでいるのかと、ぼくは怪訝に思います。
そんなぼくにおばあちゃんはとっておきのプレゼントをくれ、それをきっかけに街のいい面が見えてくる、というお話です。
赤い帽子の羽根、赤いメガネ、赤いバッグ、赤いブーツ。黄色いコート…
おばあちゃん、とってもおしゃれで可愛いです。
そして、新しくて楽しいことが大好きな、カッコいいおばあちゃんなのです。
知らないことを怖く感じる気持ち、ありませんか。
何でも経験したことがないものは、少し怖いものです。
けれど、やってみたり、知ってみると、とても楽しかったり、今よりいい状態になったり。
人に対してもいえるでしょう。
苦手そうに見えていた人が、とても楽しい人だったり。話しかけてみないとわからない。でも、話すのが怖い。
心を開くことで世界は広がります。
そして、心を開くのに必要なのは、勇気。
おばあちゃんがぼくにくれたもの、です。
まだ経験値の少ない子供たちは、扉の向こうにある輝かしい何かを求めて、次々に新しい扉を開いて自分の世界を広げていきます。
でも、大人になると、扉の向こうが何となく予測できてしまう。
楽しいものか、そうでないか、苦手なものがありそうか、なさそうかを経験から察してしまい、その程度によっては扉を開けないという選択肢を選びます。
インドア平和主義の私は、扉があることすら忘れてしまうような生活をしています。
自分のいるここは、それなりに居心地もいいし、新しい扉を開けるリスクを選ぶ必要なんてない、と思ってしまうわけです。
もしかしたらその扉の向こうに、何十年か生きてきた人生の中でも体験したことのない、心躍るようなことがあるかもしれないのに。
けれど、この絵本を読んだ後、行ったことない場所、知らないこと、知らない人、食べたことない物に出会って刺激を受けて、豊かな人生を送る楽しさを取り戻すのもいいかも、と思えてきました。
勇気には全く自信がない私ですが、未知のものを楽しむ姿を子供に見せていきたい、と思える絵本でした。
さあ、どの扉を開けようか…
