時間の不確かさに想いを巡らせる「まばたき」
はじめまして。こんにちは。
ブログ立ち上げに悪戦苦闘している、ワードプレス初心者のくるみです。
新年度が始まりましたが、みなさま、いかがお過ごしでしょうか?
ここ数年、コロナに振り回され、たくさんのことがあり、たくさんのことがなく、あっという間に過ぎたような、恐ろしく長かったような日々でした。
変わらない日常に感謝する気持ちと、変わらない作業に飽き飽きする気持ちと、変わらないなと思っていても、私の身長をぐんぐん抜いたおこめに驚く気持ちと。
いろいろな気持ちがないまぜになって、絡まり合って、整理しよう、ブログのお引っ越しもしよう、と気ばかりが急いているうちに気が付いたら新しい年度になっていました。
そして連休も過ぎ、もうそろそろ梅雨の気配さえ…
そんな風にあたふたして、その場を凌ぐように時間を使っているうちに、気が付いたらおばあさんになっているかもしれない、とふいに思います。
ゾクッとします。
いつかあれをやろう、いつかこれもやろう、と来るつもりの「いつか」を夢見て。
その「いつか」が来るときには、もうやりたい気持ちも体力もなくなっているかもしれない。
42の春。もう人生を折り返した気が、確かにする私に、この絵本はグサリと刺さりました。
まばたきの合間に…
まばたき、その短い時間に起きること。蝶が飛び立ち、時計がカチリと動く。猫が飛びかかる。一瞬だと感じているその時間は本当に一瞬なのか…。時間の不確かさを差し出して見せてくれる1冊です。
まばたき。
この言葉が連想させるもの。それは、視界が途切れたことを意識できないほどのほんの一瞬。気にも留めないほどの時間です。
人間は1日に、多くて2万回ほどのまばたきをするらしいです。単純計算で1分に20回、3秒に1回。・・・すごいですね。
文は穂村弘さん。
文と言ってもこの絵本、多くは語らず、言葉はとても短いです。
しーん
とか
ちゃぽん
とか。
絵を添えられて、その言葉が一気に意味を持ちます。
構想を含めたアイデアが穂村さんなのかなぁ。それとも酒井駒子さんの解釈?
文字だけでは想像できない世界を具現化してくれています。
地球の歴史から考えると、まばたきにも値しないかもしれない私1人の人生。その中で私自身は何億回ものまばたきをする。
時間の概念の心もとなさを深く感じます。
この絵本で描かれているのは一体誰のまばたきなのか…
私は穂村弘さんの言語感覚、酒井駒子さんの絵が大好きなので、夢のような絵本でした。
けれど、子どもたちにはまだ読んでいません。
(たぶんもずくが最後の部分で泣く、もしくは読む部分が短くて文句を言うので)
個人的には非常に印象に残る絵本でした。後をひく読後感です。
そして、いつかではなく今、何かをしなければ、という焦燥感に駆られました。
それにより、とりあえず、はじめのブログを書き終えることができました。
めでたしめでたし(笑)
大人にもおすすめの絵本です。